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長嶋茂雄と王貞治の仲は伝説級!?「マスコミの哲学」とは?

長嶋茂雄と王貞治の仲は伝説級!?「マスコミの哲学」とは?

徹底した平等主義の王貞治。それに対して、努力には報いるべきだと主張する長嶋茂雄。かつてONと呼ばれた二人の「マスコミの哲学」のスタンスは、今の今までも一貫している。

とある新聞社が長嶋茂雄と妻の亜希子さんの結婚を後押しした形で二人は結婚に至った。その時は1面スクープで話題になった。一方、王貞治はとある新聞社にスクープされるのを嫌い、恭子さんとの婚約を記者会見で発表している。

王の理由は簡単だ。「1年前の長嶋さんの婚約発表の時にはいろいろあって、付き合いのある記者さんたちは辛い思いをしていた。僕らの時は1人の人を喜ばすよりも周りに辛い思いをさせない方がいいだろうと。これは親から受けた教育もありますね。」

スクープ記者にとって当時、ONの婚約発表はスクープ合戦だった!?

マスコミにとって、スクープが天国なら特オチは地獄になる。(特オチとは、どの報道機関でも報道されるスクープをとある報道機関だけ報道できずに落としてしまうこと。)ましてや、スーパースターのONの結婚となれば、当時は想像以上にスクープ合戦になっていたに違いない。王貞治は、長嶋茂雄と亜希子さんの結婚をスクープできなかった記者たちの心情を思いやり、記者会見での発表にこだわっていたのだ。

王が親から受けた教育

父・仕福さんの「お世話になった人に対する感謝と敬意を忘れるな」という教えを、王は今も守り続けている。結婚話だけではない。自らの去就問題に関しても、王はマスコミの先走りを絶対にさせなかった。とある記者が以前、福岡ドームでホークス監督時代の王を激怒させてしまったことがあった。シーズン中に通信社が「王監督、来季も続投」というニュースを流した。会社から「念のためにお知らせしておきます」と連絡があって、記事にする気もなく、あくまで念のために王に確認をした。一塁ベンチ裏の選手サロンで行われる試合後恒例の記者会見が終わるのを待ち、監督・コーチ室の前で「通信社が王さんの来季続投を流したそうですよ」と言った途端、鬼のような顔で怒鳴り散らしたのだ。

「この時期に、”来季もやりますか”と問われれば”やりません”と答えるわけがないだろう!」と。言われてみればそうだな。王さんのあまりの見幕にコーチ陣があわてて一斉に集まったほどだった。その質問をした記者には、翌日あいさつをされても無視をするほど。

時代の先へ先へと行くパイオニア”長嶋茂雄”

1974年11月21日に誕生した第一次長嶋政権のキャッチフレーズは「クリーンベースボール」だ。その5日後に田中角栄金脈内閣が崩壊し、新たに発足した三木武夫内閣は「クリーン内閣」と掲げていた。長嶋政権の最終年、80年春キャンプでは「巨人維新」をした。「巨人の維新は君たち若き獅子の一身にあり」と選手たちに言った。その時、パ・リーグでは観客動員数をセ・リーグに負けないように「パ・リーグ維新」掲げ、その近年に元号が昭和から平成に変わり、「平成維新」が世の中のキャッチフレーズになっていた。当時のプロ野球メディアの名物コラムを掲載していた「激ペン」の筆者は、「長嶋は新聞社の返球局長にでもなればいい」と時代の先取りの情報発信力を高く評価。マスコミに対する考え方が王さんとは真逆なのがよく分かる。

お互いに一時代を築いてきたONの二人にとってマスコミに対する「マスコミの哲学」は異なるものを持っていたのは実に面白い。

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