ついにNPBとMLBがポスティングシステムを巡る「大谷ルール」の協議を始めた。米大リーグ機構(MLB)が、日本野球機構(NPB)にポスティングシステムの改正を求める申し入れをすることになる。2013年にヤンキースへ移籍した田中将大がメジャー移籍をする前の2013年12月に締結した新ポスティングシステムは、2016年10月31日までの3年間有効な契約であり、日米の双方のどちらかかが再交渉を申し出れば協議が行える規定がある。
今回、大谷翔平のポスティングシステム行使について、早ければ2017年オフにでもメジャー挑戦の意向があり、米球界がルール改定へ申し入れた。
なぜ、MLBがNPBにポスティングシステムの改正をだすのか
米球界が大谷翔平のメジャー挑戦に向けてポスティングシステムの再交渉を行う予定である。現行の制度は、2016年10月31日までの3年契約を締結しているが、昨年、大谷翔平がメジャー挑戦する可能性が低かったため再交渉は行わなかった。そのため、現行の制度は1年間の延長がなされていた。
現在のポスティングシステム制度では、メジャーリーグの球団が日本球団に支払う譲渡金の上限は2000万ドル(約22億円)と定められており、その額を支払うと手を挙げる球団すべてに交渉権が与えられる。選手との交渉期間は30日間である。大谷翔平の場合は、対象球団が多いことは間違いないだろう。こちらが田中将大や前田健太がメジャー挑戦の際にあった新ポスティングシステムだ。
一方で、2013年12月以前にあった旧ポスティングシステムは譲渡金の上限がなく、交渉に手を挙げた球団の中から最高落札額を提示した1球団のみに交渉権が与えられた。これによって、豊富な資金がある球団が獲得できるというものになっていた。
過去に旧ポスティングシステムで海を渡った選手は譲渡金の上限がなく、2006年にレッドソックスへ移籍した松坂大輔は5111万ドル(約60億円=2006年当時)、2011年にレンジャーズへ移籍したダルビッシュ有は5170万ドル(約39億円=2011年当時)という破格な入札額で移籍した。
「メジャーは大谷をできるだけ有利な条件で手に入れたい。」これに本腰を入れ始めたのではないかと推測する。現行の制度は入札金の上限が2000万ドルに設定されているが、今後の改正交渉次第では更なる減額もありえそうだ。
旧ポスティング制度は入札金に上限がなく、松坂やダルビッシュは入札金だけで5000万ドルを超えた。MLBはこの金額をさらに減額したいと考えたている。現に、田中将大や前田健太を2000万ドルで獲得できたわけだ。これはハッキリ言って安売りされてしまったと考えるべきだ。
「移籍金になぜこれだけの大金が必要になるのか」「金満球団だけが優れた選手を獲得できる現制度はフェアではない」とポスティングシステムの移籍金高騰や資金面のフェアに歯止めをかけた米球界は今回もさらなる減額交渉をするのかと注目が集まる。
2017年の大谷翔平は故障でリハビリ中
今季の大谷翔平は、右足首を痛めてWBC出場を辞退し、4月8日のオリックス戦では、左太もも裏を肉離れして、2軍調整を続けている。契約交渉に影響が出るというニュースも流れているが、一時的な疲労と予想、市場の価値は下がらないだろう。現在は1軍復帰に向けてリハビリ療養中だが、大谷翔平を何としてでも獲得を目指す大リーグ各球団の関心は高まるばかり。
NPB側は、対応を迫られることになりそうだ。
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