
プロ野球に限らず野球界には暗黙のルールや暗黙の了解というものが存在する。このルールとは、プロ野球や野球界の公式野球規則(ルールブック)に記載されていなくても守らなくてはならないものである。暗黙のルールの認識がまだ浸透されていなく、その基準がバラバラなのも原因なのです。
ここでは、この暗黙のルールや了解をご紹介しましょう。
5点差以上ある場合は盗塁は許されない
これは、有名ですね。5点差以上離れている中で、盗塁をしてしまうと負けているチームから批判を喰らいます。
一例をあげます。2010年6月4日、甲子園でオリックス対阪神戦での出来事。阪神の下柳剛が7回まで0点で抑えます。その日、阪神は打線が爆発し5-0とリードしていました。そして、7回に1塁代走として新人の藤川俊介が登場。俊介は、打者鳥谷への2球2塁へスタート。セーフとなるが、このとき5点差となり、オリックス側は完全に俊介を無警戒としていたためにオリックスの岡田彰布監督は大激怒。もちろん、この走塁は、公式ルールに則って盗塁とは認められなかったが、走塁自体が禁じられているわけではない。
プロ野球界では、大差の試合では盗塁を自重するという「暗黙の了解」があるのだ。暗黙のルールの中で有名な話題となった。
大量リードをしている場合、セーフティーバントは許されない
2010年6月10日、楽天対中日戦で中日は6-0と大量リードをしていた。当時、新人であった大島洋平がセーフティーバントに成功。大差がついていたため、セーフティーバントという行為は「暗黙の了解」に反することと認識され、楽天のブラウン監督がベンチで大激怒。次の打者に報復として腰あたりに速球が投じられた。選手にとってはたまったもんじゃない。
メジャーでは、投手が「吠える」や「ガッツポーズ」などをしてはいけない
メジャーでは、投手が三振や3アウトをとった時に過度に喜ぶと打者に対する挑発行為と受け取られるためやってはいけない。元ヤンキースの田中将大も日本球界では吠えていたため、メジャー入りするときには直していた。
また、日本球界に在籍している外国人選手に対してもこのような行為は挑発行為として受け取られるため、投手は注意を払う必要がある。
他にも、このような「暗黙の了解」がある。
攻撃編
・対戦相手1人だけの引退試合の投手には空振り三振をしなくてはならない。(日本のみ)
・大差(6点以上)でリードしている場合は、6回以降で、カウント3ボール0ストライクからは1球見送る。バント・盗塁などを使ってはいけない。
・併殺打を回避するための危険なスライディングはしてはいけない。(ラフプレー禁止!)
・本塁打を打った時に、立ち止まったり、打球を見たり、大げさなポーズととったり、ダイヤモンドをゆっくり回ってはいけない。
・ノーヒットノーランや完全試合を阻止するために、わざとバントをしたりしてはいけない。
・連続した本塁打の次の打者は初球打ちをしてはいけない。
・死球を受けた場合に、大げさに痛がったりしてはいけない。
・相手投手がマウンドで投球練習をしている場合、ダートサークルにはいってはいけない。
・打者が打席に入る時に、球審や保守の前を横切ることはしてはいけない。
・相手バッテリーのサインを盗み見てはいけない。また、2塁走者が打席に立つ打者に対してサインを教えてはいけない。
・1塁にヘッドスライディングしてはいけない(これはいいのでは?)
・投手の集中を欠かせるような行為をしてはいけない。
守備編
・引退間近の選手に対しては全て直球勝負をしなくてはならない。(日本のみ)
・オールスターゲームでは投手は全て直球勝負をしなくてはならない。(日本のみ)
・タイトル争いや記録がかかっている場合は、その打者に対し四球や敬遠をするる場合もある。
・投手は三振やスリーアウトを奪った時に、過度に喜んだりガッツポーズをしてはいけない。
・投手は、回の途中で交代をさせられても、すぐにはベンチ裏へは戻ってはいけない。
・投手は野手に対して文句を言ってはいけない。
・3ボール0ストライクとボールの場合は次は直球を投げる。
・見方投手がノーヒット投球をしている場合は、そのことを試合中に話してはいけない。
攻守編
・選手は審判に対し、ストライクやボールという自分の意見を言ってはならない。
・審判の判断に抗議するのは認められているが、審判の指示は絶対である。
・相手チームに友人がいても試合中に親しく会話をすることは厳禁。
・試合の結果に対し、相手チームや観客の前で過度に騒いだりしてはいけない。
・乱闘になった場合は、素手のみ。バットやボール、ヘルメットのような凶器になりうるものは持ったりしてはいけない。また、相手を強く殴ったり蹴ったりすることは、選手生命に関わるため厳禁。
・乱闘になった場合、ベンチサイドもブルペンも「制止」を目的として乱闘に参加しなくてはならない。
「暗黙の了解」を破るとどうなるの?
もっともメジャーなこととして、次席にたいする報復四球。また、その時も頭部を狙ってはいけない。
昔は暗黙の了解はなかった
中日の落合博満GMは当時のことは語る。かつて、日本の野球には現代のような「暗黙の了解」は存在しなかった。1990年代後半から日本人選手の大リーグ移籍が増加したことで、日本で大リーグ中継が頻繁に放送されることが原因の一つだという。日本は大リーグを模倣するようになったのだ。日本は、大リーグの良い面も悪い面も吸収してしまい現状が存在する。
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